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+Lanternさん『みち』『秘密』『メリーゴーランド』『記念日』『.flv』感想

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文学フリマ非公式ガイドブックで知ったサークル「+Lantern」さんの本の感想です。

+Lantern さん(@plus_lantern
http://pluslantern.com/

■『みち』

+Lanternさんが、どの本からでもどうぞとおっしゃられるので、本当に読んでる順番がめちゃくちゃなのだけれども、
発行年月を意識して、この本が3冊目に読んだ本になりました。
(でも「魔法」と「Hello」はまだ買ってない……)


◇遊佐はなえさん著「Runaway」

反抗期なお嬢さんの物語。
反抗期といっても、お母様がちょっとダメなひとなのね。

自転車で家を飛び出した彼女の体験する、不思議なお話なのです。
空間を望む場所へと変える不思議な灯台。
そして、そこにいる人物との出会い。

子供って、本当に、本当にツライことは、なかなか友達にも相談できない。
相談された子供だって、そんなシビアな話をされたら、困るだろう。

だから、八方塞がりになってしまう。

親に分かってもらいたくて、親の言いつけを破る。非行に走る。

少女はそこまで深刻な状態にはなっていないけれど、
もし、不思議な彼に出会わなかったら、違う道を、いや、道を踏み外してしまっていたかもしれない。

癒される空間は、相談できる相手と同等のものかもしれない。

いいなあって思いました。

そして、お母さんも成長の一歩を見せる。

お母さんも大変なんよねって、きっと分かってもらいたいんだろうなあ。
子供視点のお話だったけれど。

とてもよかった。


◇多々畳さん著「ま ち ぶ せ」

いつもの柊平くんの物語。
いつものと言っても、このシリーズがいつから始まっているのか分からないのですけれど……
このシリーズ、まとめてくれないかしらっ
最初から読みたいです。

お化けロードで出会ったおばあさんのちょっと切ないお話。
そのおばあさんの話をきく、柊平くんと、おばさん(女子高生)の良いお話なのですよ。

柊平くんが、もう、なんつーか、大人で。かっこいい。(小学生)
本当は可愛い。

伏線貼っといての最後のオチも面白かったです。



◇濱野一九さん著「マーチ」

最初のお二人の物語とは、色が違う。
この本の半分を占めるお話。

息子を亡くした父親と父親を亡くした(殺した)息子の物語で、とても因縁的。
けれども、その因縁は呪いの石が起こしたものなのか……

北海道やアメリカ、メキシコの風景のような車通りの少ない、長く続く道。
そして、人生という名の道。

よもや、こんなバッドっぽい結末だとは思っていなくて、裏切られた。

二人がちょっとでも違う性格ならば、物語という名の道はまったく違ったものになったかもしれないと、とても奥深いお話で、裏切られたものの、やられたああというようなため息が出た。

「唯、」という補足の接続詞の多用が気になった。
漢字だから目立ったのかも。

とても読みやすくて、ハイクオリティ。
他のお話も読んでみたい。


■『秘密』

◇多々畳さん著「影おくり」

ひとには見えないものが見えるひとのお話。

子供の頃って、特別になりたかったなあってことを思い出しました。
けれども、特殊能力なんてなかったし。
特別頭いいとか、運動できるとか、クラリネット吹くの上手いとかもなくて。

特別にはなれないのだと気がついた時には、ふてくされていたような気がする。

だから、特別な能力を持っているひとが、やっぱり、ちょっと羨ましい。

とか、そんな物語ではないのだけれど。

仲が悪かったひとと再会した時、ちょっと大人になってて、
秘密を理解しあったような、そんな雰囲気がとても良かった。

それはそれは、特別な、出会いなんだろうなあ。
好きなひととは違うベクトルだから。


◇遊佐はなえさん著「地下鉄の音」

このお話はー…すっごい良いです!!

うう…言葉にできない。

好きなひとには既に彼女がいてだね、その彼女がまた、色白さんで素敵でね、
もう諦めるしかないのだけどだけどだけど……

結局、色白さんの彼女は裏切られてしまうんだけど、
好きになってしまったら、仕方ないよね。ね。ね。

ラストはコミカルで、ほっとしました。

んんー
きっと、実際にこんなことがあったら、どろどろな感じなんだろうと思うのですけれど、
それが、まあ、んーなんと表現したら良いものか……
青春みたいなさわやかさとか、レモンのような酸っぱさとかじゃなくて。
しとしと雨の日のクールさのようなイメージです。(すごく個人的なイメージ)
じめじめではありません!


■『メリーゴーランド』

前々回の文フリで買って、積んでいたもの。
文フリガイドに載ったやつですね。

◇多々畳さん著「が ん か け」

いつものシリーズ。

花言葉博士?の柊平くん。花言葉をめんどうくさがりながらも、きっちりと調べてくるあたりが、また、これ、
優しくて紳士。小学生なのに。惚れるわ。

惚れるでしょ。歳の差とか、関係ないでしょ。

だから、今回現れた、受験生の君には、彼女(高校生のおばさん)の彼氏になれるわけなくて。
お友達。

お友達になるのにも、歳の差って関係ないだなって。

とゆーか、受験生の君はきっと、柊平くんに癒されたよね。
彼女よりも、柊平くんの方が、いいよね?
私だったら、柊平くん選ぶわあ(性別の壁がある)

そんなことを思いました。
くだらなくてすみません。


◇遊佐はなえさん著「フリーバード、ソングバード」

変化を恐れるアパートの管理人さんが主人公のお話。

恋をすることで変わってしまうことに抵抗がある管理人さんは、
それでも、変わっていってしまう。

恋とは、恋愛とは、変化を恐れてはいけないのですね。

パリに見立てた東京観光がステキでした。
そんな風に、観光してみるのも、良いですね。
まねっこしようと思いました。

でもひとりでメリーゴーランドには乗れないなあ……
やっぱり、好きなひとと一緒だから乗れるんですよね。大人は。


メリーゴーランドは、いつも空いているアトラクションですよね。
面白くないんだけど、乙女ちっくですよね。
観覧車の方が好きですけれど。

同じところをぐるぐる回る回転木馬は、メルヘンです。
乗っている間は、ずっと子供で、ずっとお姫様でいられる。

ずっと子供でいられたらいいよね。
ずっと、ロマンチックでいられたらいいよね。

そんな風に思ったのでした。


■『記念日』

この本は、去年あたりに読みましたです。
+Lanternさんの本の中で、1番最初に読んだ本であります。


◇多々畳さん著「は ご た え」

いつものシリーズ。
柊平くんがだまされて、「把握」を「歯悪」だと思って、意味も「悪くなる、悪くなった」だと思って、ずっと使っているとゆーもう、可愛らしくて、面白くて。

精神が大人っぽい柊平くんでも、やはし、子供なのだと。

そんな柊平くんの誕生日のお話で。
いつも、面白くてこのシリーズが大好きなんですけれど、
実は、柊平くんの家庭環境ってやつは、ちょっと淋しい。切ない。

でも、女子高生の「おばさん」がいつも柊平くんと一緒で、あったかくなる。
本当の姉弟よりも姉弟のようで、優しさにあふれていて、癒される。

素敵なお話です。


◇遊佐はなえさん著「窓越しの靴ひも」

背の高い彼女が悩むお話。彼氏さんと身長が変わらなくて、ヒールをはいちゃうと追い越しちゃう。

なんとも羨ましい話じゃないですか!
しかも彼氏がかっこいいだとおおぉぉモテモテだとおおぉぉ

羨ましすぎるじゃろ!!

でも彼女は自分に自信がなくて、彼氏を見張ってしまうのですよ。
彼氏がイケメンだと、大変ですな……

ストーキングしちゃう彼女、面白かったです。オチもね!

ま、私には縁遠いお話でしたけれども……


■『.flv』

◇多々畳さん著「repeat after me」

いつものシリーズじゃない!!
ちっと残念でした……いつものシリーズを楽しみにしていた自分としては……

擬人化ありの、オムニバス形式のようなお話。

最初と二つ目と、最後があればいいかなという感じ……
まんなかはそれほど繋がりとして必要があるのかなあと、思ったといいますかでも!

繋がっているので、面白いは面白いです。


◇遊佐はなえさん著「感電するフィルム」

たまらん恋愛小説。
『秘密』の「地下鉄の音」に似ている。

山を越える時の、謎解きのような、種明かし的なところがある。
本当はこうだったんだ、っていうね、気持ちを相手に話さないから、すれ違いそうになる。
パターン化してるんだけど、それでも、好きなんですよ。

そしてね、またね、オチがね、良いのです。
いつも、オチが素敵です。

おまけの小説『Camera』の「Walk out to winter」の方も、合わせて読むと、素敵さが増します。



まとめ

+Lantern さんの本は、あっという間に読めてしまって。
すんなりと入れて、すらすら読めます。
そして、優しくて、癒されます。

いつも、ああ、楽しい時間がもう終わってしまった!
と読み終わった後思うのです。

大きくゆさぶられることはないけれど、そう、ちょっと、ひとりでいるのが淋しい時とか、
雨の日とか、ちょっと落ち込んでいる時とかに読みたくなる本です。


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