category感想

【感想】鹿ソウル 特集

trackback0  comment2
■鹿ソウル 佐藤亜希子

@shikasouls2


初めて参加した文学フリマで発見したサークル様
めっさフレンドリーなお方で、ずっとおしゃべりしていられる、明るい方です。
でも、書かれている小説は怖いお話と切ない恋愛ものばかりです。
私が惹かれたのは、怪奇小説だったからであります。

というわけで。
今回は「鹿ソウル」さま 特集です。

本は簡易和綴じみたいな装丁。
製本が楽そうでいいな……とか思っていたり……
(本当は大変かもしれません)


文章は上手いんです。ものすごく。
なんと表現したら良いのか。
淡々としているから、読みやすい。心情が静かに語られていくので、入りやすいんです。

短編なので、構成というか、演出が上手いです。

色々寄稿もされているので、読んだことある方も多いかもしれません。
でも、もっと注目されるべき作家さんだと思っています。


■「化屋敷」20101205
怪奇小説の短編と掌編が収録された本です。


「化屋敷」
浅草花やしきのお化け屋敷が舞台。

怖い話とか好きで、よく特番とかを見ている人間ですが、
動画よりも、小説の方が優れていると思わせる話でした。

つまり、怖い。

映像化すると、ほんと怖い。

最後はもうグロい。

短い話なのに、伏線もばっちり入っている。
それも効果的に。


私、この手のお化け屋敷は入ったことないのですけれど……
怖いのかな??

TVで実験してましたが……
日本のお化け屋敷を外国の方が体験すると、外国の方は仕掛けに対して驚いた後、怒るようです。けしからん。むかつく。みたいな。おどかすのが、いたずらのように思えるみたいですねー

自分はAB型なので、どうにも……
驚くは驚くと思うのですが、嘘だと分かっていると。

でも……
ホラー映画は大っ嫌いなんです。
最後まで見れないんです……

本作では、主人公がまさに映画の主人公のよう。
自分が、その主人公になったとしたら……

きっと恐ろしくて、早々にリタイア間違いなしであります。



「バーチャル彼女」
現実をゲームと同じように考えているひとって、いるのかもしれない。
現実ではリセットできない。とは言うものの。
もし、この世がゲームで、自分が主人公でありプレイヤーであったのならば、
完璧に生きようとするのではないか。
彼女(もしくは彼氏)をゲットするために、パラメータを上げていくのだ。
ゲーマーであるならば、初プレイから完璧を目指すのと同じように。

そういったことは書かれていないが、本作には、「イケメンの出来る男が本当は残念男子」について主人公目線で語られている。

恋愛シュミレーションゲームは、あまりに非現実的だと思うのだが……
もし、もしも、自分の目の前に、
譲くん(@遥かなる時空の中で3)にそっくしの男性がいたら……惚れてしまうかもしれんね……あの声で「先輩」とか呼ばれた日にはっ
(残念ながら、後輩にそんな男性はいない……)

パラメータMAXになったらリセットしようとは、思わんけどね。
むしろ、別のコに乗り換えるとか?(最低)(ゲームの話だよう)

残念な彼は、リセットしようとしている……
それも残忍な方法で。

非現実的だと思う一方で、でも、こういう人、いそうだよねとも思う。
事実は小説よりも奇なりと云うしね。

しかし、夢だよね。
そういう、自分の好きな二次元キャラクターが三次元でもいたらさあ!

そんな夢を見させてもらいました(違う)



「キミへの鎮魂歌」
グロいです。
でも、共感できる部分もあったり。
……そこんとこは秘密です。

「骨」
短いですが、誌的であっさりしていて、心地よかった作品。
でも、たぶん、基地外だ。
う…ん、サイコ的かな??

「肉断ちの日々」
肉を断つその理由が語られている。妄想の中とはいえ、グロいです。

あなたは、人肉のどの部位が一番美味しそうですか……?


■「彼岸花」20110612
怪奇小説。

「彼岸花」
子供の頃の過ちを彼岸花という赤い花を通して思い出していく主人公。
読むにつれて、まさか、まさか、やっぱり……
みたいな先が読める部分があるのですけれど、それが恐ろしい。
先が気になって仕方ないお話です。


私も子供の頃を思い出しました。
言えないようなことの多くは、子供の頃にあるんじゃないかしら。
残酷なことも、しましたよ。
トカゲのしっぽをみじん切りにするとか……
(しっぽ切っても死なないとは言え……おれ……)
他にも、しましたよ。
言えないこと……
そんなことを思い出しました……(ずーん…と沈みます…)


私は缶蹴りとかでやられましたね。
永延と鬼っていう。
いじめですよ。(周りは無論、そんなつもりはない)

ただ、私は……
逆切れして泣いて、遊びを嫌な空気で終わらせるという……

正義感が強く、負けず嫌いでした。
ので、逆だったこともあったんじゃないかな。

中に大人な子供がいると、わざと鬼になってくれたりしたものです。
今思うと、すごいな。その子。


話がずれました。

クライマックスは怒涛。
怖いのが楽しい人にとっては、思わずにやにや笑みがこぼれてしまう。
やばかったです。
真顔で読んでたのに、後半はにやにやしっぱなしでした。


「よくある鏡の話」

ノンフィクション? と思えるくらいリアリティがあった。
怖い怖い。

鏡に映っていた自分の顔が、気味悪く笑っていたら……
それは何を映しているのだろうか。
深層心理なのか、それとも自分ではない何かなのか。

答えは分からないまま。


動画サイトにはこの手のものがいっぱいあるのだが、
まだ自我も目覚めていない赤子が被写体であるにも関わらず、鏡の中の赤子はリアルとは違う動きをしているものがあった。

鏡の世界があるのか。
鏡の世界の中の自分はリアルと取って代わろうとしているのか。

まだまだ、知らない世界がある。
それを、身近なものから教えてくれたもの。




■天然ネット生活 20111103
怪奇小説の短編が2編収録されている。

「午前二時の通話」

会話だけでとんとんと進んでいく。
その会話が面白い。
いつもそうだけど、登場人物は著者本人。
だから、ノンフィクションのように思えて仕方ない。

そんなに怖くはなかったけれど、ひとり暮らしの人には怖いかもしれない……

ネットでTV電話していると、相手の後ろに幽霊が見えて、
「後ろ! 後ろ!」って言って気づかせようとするのだけど、相手にはその姿は見えてなくて、幽霊の姿は見えなくなるのだけど、相手が突然、意識を失い、倒れ、その身体が何かに引っ張られて行く。相手の名前を呼ぶけれども、画面越しではどうにもできなくて、ついに通話も切れる。
そんな恐怖映像があるのだけど、それを思い出しました。

このお話は、その後のことも書かれている。

深夜にインターホンが鳴ったら、あなたはどうしますか?



「オン断ちの日々」

ノンフィクションに近い小説。
なので、主人公はやはり著者本人であります。

ネットとは、魅力的なものであります。
私はそんなには使っておりませんが。

家では小説書けないというのは、PCが原因でありますよ。
ついついスパイダソリティアとか、やってしまうんですよね。ははは。

そしてネット上での人間関係。

自分はそんないざこざに巻き込まれたことはないのですが(どにぶ&活動時間の短さゆえ)よく聞く話であります。

そんなこともあって、ネット断ち、オン断ちして小説を書こうとするあんこさん。

しかし、オン断ちすると、オンでしか繋がっていない人間の動きとかは分からなくなるわけで。

久しぶりに繋げてみた時、そこにあったのは友人が去った痕跡と、残った友人の名前(アカウント)

残っていたひとりの友人とコンタクトを取り始めて数日後、衝撃的な事実を去ったはずの友人から聞かされる。


幽霊は、電気とか電子機器と相性が良いんですよね。まあ、幽霊さんが使ったあとは、大抵壊れますが(笑)


このお話は、2ch的に言うと「心霊ちょっといい話」みたいな感じです。
亡くなってしまった人とお話するには、恐山のイタコに頼むしかないと思ってましたが、
もしかしたら、ネットの中にはたくさんの死者がいるのかもしれません。

だって、幽霊さんなら、IDもPWもつつぬけですもんね。


しかし、これ読んでいると、あんこさんは良い人だなーって思います。
共感できる部分がいっぱいあります。

Twitterで相互フォローさせて頂いてますが、いやいやホント、私なんて愚痴ばっかこぼしてますからね。不快な思いをさせているのではと心配です。



■「花一輪/遺雪」20101205

「花一輪」
Q あなたは、今、新宿駅の構内にいます。
 めまぐるしいスピードで進んでいく、数え切れないほどの人の波。
 その足元に一輪の黄色い花が落ちていました。
 あなたは、その花を見て何を思いますか?
 あなたは、その花をどうしますか?

 引用しました。

こんな問いから始まります。
まるで、心理テストのよう。

私はきっと「気になりながらも拾わない。数秒後には忘れている」だな。

A 気になるけど、拾えない。
 ギタリストの言い訳男子

チャンスをものにできなかった言い訳を彼女にして、彼女に叱られて、キレて、彼女に「さよなら」と言われてしまった男子が、その花をきっかけに変わろうとするお話。

私も言い訳は嫌いなのだが、失敗とか、合格できなかった時は運勢が悪いせいにしている……
占い好きですから……
そう思わないと、開き直れない。
そういうのがいけないというのは分かっているのだけれど、難しい。
しかし、努力が足りないのを他人に別の理由をひっつけて話したりというのは、そんなにはない。
言い訳されると、ムカってする。

吹奏楽コンクールで、後輩がリードミスばかりしていて、それを後輩は「リードの調子が悪かった」と言い訳した。リードミスは「口」ができていない証拠だ。私はリードミスなんて自由自在だもの。
でも、何も言えなかった。それは、私の指導不足に他ならないから。

でも、たまに、言い訳をしたくなる時がある。
そんな言い訳をした時に、無下に「あんたが悪い」って言われたら、正しいことを言われたら反発したくなるのではないだろうか。

どうしても、後味の悪いことになってしまう。

その相手が彼女だったら。
「さよなら」なんて言われてしまったら。

自分が悪いのは分かっているのに、逆切れしてしまった。

やるせなさと、切なさがたっぷり詰まった短編です。




A 気付かずに踏んでしまう。
 不倫してフラれたOL

不倫して、本気になってしまって、フラれたら。
いや、不倫は相手に子供がいた場合、まず略奪するのは難しい。
だから、遊びなのだが、本気になってフラれたのなら、それは失恋に違いない。

たとえ本気でも、フラれたからって、自殺するだろうか。
いつもそう思う。

でも、死にたくなるほど悲しいことがあるのは知っている。

不倫って、けっこう軽い気持ちでできちゃうんだよねー……
不毛でも恋は恋。

そう、不倫って、禁断の恋なわけだから、切ないはずなんだよね。

不道徳とか、そんなん関係ない。


遊びのつもりの禁断の恋。

禁断の恋って、どうして、こんなに甘いのかしらね。


A 拾って、踏まれなさそうな場所に移動させる。
 世渡り下手な若手サラリーマン

見過ごせなくて、商談に遅刻したりな、すごくいいひと。
目にかかったことはない……いるんだろうか……

彼は、上記の彼女を見過ごせない。

いい話だ。


A 持ち帰る。
 彼氏を傷つけてしまった彼女

好きな人を、ついつい、責めてしまう。
普段、黙って聞いているひとが逆ギレとはいえ、怒ってしまったら……

もう、本当に泣くね!
読んで! 本当に。

最後はHappy Endだから、ほんと良かった。



そんなわけで、この4つのお話がつながっています。
本当にリアルに心情が描かれているので、いちいち、胸が苦しくなってしまう。

鹿ソウルさんの中でも、お薦めの1冊です。
(もう売ってなかったらすみません)


「遺雪」

不倫してた彼氏が亡くなってしまった切なさを描いたお話。

つか、不倫好きね……

そっか、不倫だと、好きな人の骨も拾えないのかと、気づかされました。
おおっぴらに泣くこともできない。

なんというか……
不倫は良くないよって、言われているみたい……
(良くないに決まっている)

でも、いい話でした。


■「叶わない」20110612
恋愛小説。
オムニバス形式で書かれた短編3作が収録された本。

「01 アタシのポジション」

男と女の友情はあるのか。
Yesと言い切る主人公の、ちょっと切ないお話。

でも、主人公は片想いをしている。
関係を壊さないために、告白せずに、友達の関係を続けるのだが、
実は、その想いはバレていて。
それでも、友達であり続ける、主人公の選択。

分からないでもない。
失ってしまうよりは、友達のままの方がいい。

話とは関係ないが、
友達って、なんでも言えるけど、恋人にはなかなか言えなかったりする。
なんでも言える異性って、いいよね。
そんなひとと、一緒になれたらいいよね。そう思ったら、もう恋だよね。


「02 理解できない感情」

また不倫の話である(笑)

不倫相手がさー 奥さんとか子供の話してたら、そりゃあもう、居たたまれない。
想像しちゃうよね。
いいお父さんなんだろうなーとかさ。

実は、それが歯止めになるわけなんだけど。

そういうことを考えないようにしていたら?
話さないようにしていたら?

突然、現実を突き付けられたら、受け止められるか。

本気なら、Noだ。

不倫はダメだよー
しかし、不倫する男って、いい男が多いんだよなー
それだけモテるってことだから。


「03 光と闇の狭間で」
芸能人を本気で好きになってしまった編集OLの話。

親にね、あんた結婚いつするの、とか言われるの。
ホント勘弁……

ではなくて……
直接会ったこともない芸能人を好きになるとか、あるのか、とか考えたら、
自分の場合はない。

だけれども、リアルに描かれている心情を読むと、あるかもね。
と思える。

芸能人も人間なわけだし。


最後は、前の二人の後日談もあり、前向きで終わっている。
ほっとする読後感。

恋愛もの好きな女性にお勧めしたい1冊です。


■私が殺した彼の話 20120506
怪奇小説2編が収録された本です。

「私が殺した彼の話」
常に「大丈夫」と優しく言ってくれる彼氏を殺してしまうのだが、自首しに出頭した主人公に警察から告げられた真実は、誰も殺していないということと、妄想の中で殺したのは自分自身だったということ。

主人公は著者であります。

ネタばれしてますけれど、
種明かしされるまで、全然妄想だなんで気が付きませんでした。

世にも不思議な物語系です。


「昔を振り返りながら文字を書くだけの簡単な作業」
2ch的に言うと(またか)心霊ちょっとどころじゃないいい話。

このタイトル、これはないだろう。と読んだ後に思う。

読んでて後半は泣きました。

よもや、こんなタイトルで泣かせに来るとは思ってもみなかったですよ。
今回の戦利品の中で、短編小説の中ではこれが1番泣けたと思います。
(まだ全部の戦利品読んでないけども……)

ノンフィクション、ですね。

著者の幼少期にあった、切ない感動物語。

幽霊を扱った小説は多くあるので、文学的に認識している方は多いのではないかと思うのですが、あなたは幽霊の存在を信じますか?


著作に桜を題材にした話が多いのは、この体験があったからかもしれませんね。
なんて詮索してみたり。

しかし、守護霊さんがイケメンだとは。羨ましいかぎりですな。
(とか言ったら、自分のいるかもしれない守護霊さんに失礼かもしれませんが)


何気に大切なことを教えてくれる、お話でした。

スポンサーサイト
 
ありがとうございます(´;ω;`)
今頃になって拝見しました><鹿ソウル特集なんて私得でしかないのにこんな素敵なページを…。どうもありがとうございます!今後も精進いたしますのでこれからもよろしく、というか、次回は飲み行きましょうね!
こんなんですみません……
飲みに行きましょー!
また文学フリマでお会いできる日を楽しみにしております!









        
 
http://naturalmaker.blog.fc2.com/tb.php/14-9dff725c